不動産投資に興味がある人は新築マンションにも興味がある人が多いのではないでしょうか。この物語は新築マンション投資が抱えるリスクをさらけ出します。
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新たな出会いにはドキドキワクワクするものですが、このときもやはりドキドキワクワクしていたと思う。
新築マンションのプランを作った会社はBJコーポレーション(今後は「BJ」といいます)。
よしりんはこのBJの計画書を持ってきた。
BJのビジネスモデルは土地を仕入れ、そこに建築できるマンションプランを作成し、集客。
土地の売却益を得る一方で、提携している建築会社に顧客を紹介し、建築会社からキックバックも受け取る。
BJは連絡役として施主と建築会社の間に入り設計やスケジュール管理などの調整を行う。
2017年8月、よしりんとBJの事務所いた。通されたのは応接室、、、しかも奇抜なデザイン。ソファーは真っ赤のレザータイプ、壁紙も1面づつ異なるデザイン。照明には大きなファサードが付いている。置き物はちょっとオシャレな感じの時計やミニカーが並べられていた。
ただただ「なんて派手なデザインだろう、ちょっと怪しいかなぁ〜」でも部屋のデザインがどうだからと言って、計画書の内容に問題があると思わない。
担当者2名入って来た。上役の下道と担当者の塚本。
下道は40歳半ばで大きな身体、メガネをしている。
塚本は30歳後半でちょっと頼りない感じ。
ユメ「変わったお部屋ですね」
下道「社長の趣味で、社員に勉強も兼ねて奇抜なデザインを作らせてます。社長室はもっとすごいですよ。ご覧になられますか?」
ユメ「いやいや、そこまではいいですよ。(変わった社長だな)」
下道から新築マンションプランの説明。
下道「、、、諸費用については銀行融資の対象にならないでしょうから、約1000万ほど自己資金でご準備ください。」
塚本「銀行融資については、弊社から銀行へ融資申込させていただきます。取引銀行多数ありますので、ご安心ください。」
ユメ「私自身でも付き合いのある、B信金に融資申込します。」
よしりん「今回の買付申込は融資条件付だが、1番手と理解してよろしいですか。」
下道「はい、1番手でございます。後に3名様がおられます。」
塚本「それでは銀行融資用の資料作成をお願いします。フォーマットを送付しますので、ご入力をお願いします。」
こんなやり取りがあり、私は帰宅後、直ぐに資料作成を行い、塚本氏へメールで送信をした。
その後、B信金の担当者に電話を入れた。
ユメ「新築マンションをやりたいから、説明に行ってもいいですか。」
B信金に到着すると応接ブースに財支店長と担当の木本さんが待ちかまえていた。
財支店長「新築をされるということで、事前に送付いただいた資料を拝見いたしました。物件としては立地も良いし、ユメ様の財務状況などからも金額的にギリギリの線ではないかと思います。」
木本「早速、本部向けの資料作成に取り掛かりますので、お時間ください。」
ユメ「どれくらいで判断出そうですか。」
木本「金額も大きいので1ヶ月〜長くて2ヶ月はかかるかもしれません。」
BJにB信金は前向きな回答だったことを伝え、他の銀行の反応を待つことにした。
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この物語は事実に基づいて構成していますが、登場人物や金額など個人の特定に繋がる情報、契約に関する内容は変更しています。